【注目される太極拳】
個人の感想や意見ではなく、科学的かつ医学的な方法に則って検討された研究発表は、米国の医学論文データベースに登録されます。
それらの医学論文は、PubMedというホームページに掲載され、世界中の誰でもが無料で検索できます。
このホームページ(PubMed)に登録されている論文で『Tai Chi』=太極拳のキーワードで検索できる論文の数は、2019年までの調査で下の図のように増えていってます。
グラフから分かるように、2000年からの20年間で急速に増えています。
これらの医学論文の中で、太極拳を説明するときに、Mind-body practice(心と体の鍛練)、Balance exercise(バランス訓練)、Meditative movement therapy(瞑想的運動療法)などの用語が、頻繁に使われています。
太極拳による治療効果が認められた疾患としては、
- 骨粗鬆症
- 転倒予防
- 線維筋痛症
- 変形性関節症
- 関節リウマチ
- パーキンソン病認知症
- 不眠
- 癌治療後の状態
- 糖尿病
- 脳卒中心不全
- 慢性閉塞性肺疾患
など、たいへん多くの疾患があげられています。
新陳代謝への効果
1時間の太極拳の消費カロリーは、1時間の軽いジョギングと同等と言われ、習慣化することで新陳代謝が高まり、肌荒れやニキビを改善しいつのまにか美肌になっていることに気づかされます。体内循環を良くしてくれるので、肌だけでなく血管や内臓全般へも良い影響があります。
有酸素運動としての効果
太極拳は有酸素運動なので、血流が盛んになります。「太極拳が有酸素運動?」と、以外に思う方もいるかもしれませんが、体をゆっくり動かしながらも、全身の筋肉を使うので、エネルギーの消費量は多いのです。
全身の筋肉を同時にゆっくりと緊張させたり緩めたりを繰り返すことで、全身の関節を動かし腰痛や肩こりが改善されます。
精神面への効果
太極拳の練習をしていると、脳波にアルファー波が発生します。従って、しばらく続けることにより、ランナーズハイに似た状態、エンドルフィン(体内麻薬:無害)が分泌され、しだいに気持ちよくなります。体を動かしていても、精神面・情緒面は、リラックスした落ち着いた気分になっていきます。
効果指数
太極拳12週間の効果指数は、他のストレッチ運動を12週間行った場合に比較して、
- 病気の症状への改善は1.2倍
- 身体の健康改善効果は1.1倍
- 心の健康改善は1.06倍
でした。 (発表医学雑誌=The New England Journal of Medicine-2010;368:743)
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